埋伏歯 の抜歯



下顎の親知らずは、

横向けに生えてしまい、

正常に生えてこない場合が多くあります。

埋もれて生えられない状態を

歯科では、埋伏歯と呼んでいます。

親知らずが真横に向いている状態を

水平埋伏歯 と呼んでいます。

今回は、この水平埋伏歯の抜歯のお話をします。



親知らず、抜きたくない方も多いでしょう。

誰も、痛くもない歯を抜きたくはありませんね。

患者さんに話を聞くと、

よく返ってくる返答が


「痛くなったら、抜けばいいですか?」

です。


確かに、正論かもしれません。


しかし、水平埋伏歯の智歯に関しては

若干違うかもしれません。

まず水平埋伏歯の レントゲンをご覧ください。






画像の左下の歯(画像中央部分)で、

横を向いてるのが、水平埋伏歯です。


この歯  いつ痛くなるか?



答えは、

たぶん当分痛くはならないです。



痛くなるのは、水平埋伏歯では無く、

1本前の 歯(第二大臼歯です)。


次の画像を見て下さい。






  をつけたところが虫歯です。

智歯の咬む面(咬合面)と

第二大臼歯の側面が当たってたため、

負けて虫歯になるのは、

水平埋伏歯 ではなく

第二大臼歯なのです。


「痛くなったら、抜く」

のスタンスでは、

痛くなった時に抜くのは

智歯 では無く

第二大臼歯の可能性があります。



抜かないまでも、第二大臼歯の

神経の治療を必要とすることになる場合は

すごく多いです。



水平埋伏歯を抜くかどうかの判断は

水平埋伏歯が悪くなるかではなく、

将来、第二大臼歯がどう影響されるかを

考えることが第一です。


痛くないから抜かないも、

ある意味正論ですが、

痛くなってからでは、

その前の歯もダメになっている場合が多いです。


水平埋伏歯の抜歯の最大の目的は

その直前の歯を きれいに残すこと

に あります。


深さによっても、

抜く、抜かない の基準や判断は

違いますので、

一概に 水平埋伏歯 = 抜歯

ではありません。


個々の患者さん毎に判断することになります。

放置して、痛くなってからでも、大丈夫な

生え方もあります。


自分のは、どうかな? って思われてる方は

一度ご相談下さい。